■Focal Spirit Professional / B.A.L レビュー

■Focal Spirit Professional / B.A.L レビュー

購入まで

M70xを購入した時に本当はFOCAL Spirit Professionalが欲しかったと言っていました。

音の傾向はだいたい把握していたので、それならM70xかFOCALかどっちか欲しいなと思っていた頃にM70xを入手できたのですが、M70x入手後すぐに手頃なのが出回ったので速攻ポチってしまいました。

FOCALについて

1979年の創業から30年以上に時を経て培ったFocalのスピーカー・ドライバー、ラウド・スピーカーの設計を行っているメーカーでお高い製品もたくさん扱っています。

モニター系の製品も多く、信頼のおけるメーカーです。

先日プロ向け開放型ヘッドホンのCLEAR PROをリリースしましたが、20万近くとお高い値段ですね。

どこかのメディアではFOCAL初のプロ向けモニターヘッドホンと記事を書いていましたが、正確には初のプロフェッショナル向けオーバーイヤーヘッドホンですね。

プロ用製品自体はこちらの方がかなり前から発売されていました。

この製品はニュートラルなサウンドと音源のダイナミクスを精緻に再生するトランスデューサーにより、正確にモニタリングが可能。

作業が長時間に及ぶことの多く、装着時間の長い使用環境に配慮し、形状記憶フォームによるイヤーカップを採用。快適な装着感を実現したサウンド・エンジニア&ミュージシャンのためのヘッドフォンという事です。

私がアピールするまでもなくこのヘッドホンを愛用している方は多く、BiS,BiSH,GANG PARADE等を手がけるサウンドプロデューサーの松隈ケンタさんや、作家のTom-H@ckさんやエンジニアでも使っている人をちらほらと見かけます。

スペックは?

型式:密閉ダイナミック型
ドライバー:40 mm マイラー / チタン合金
感度:102 dB SPL/1mW @ 1kHz
再生周波数帯域:5Hz – 22 kHz
THD:<0.3% / 1 kHz / 100 dB SPL
インピーダンス:32Ω
質量(コード除く):255g

能率は低めです。
インピーダンスもスタジオ用、モニター用としては低め。

音源のダイナミクスを精緻かつ生き生きと、全帯域にわたって損失なく忠実に再現を目的とした新開発の素材を採用した独自ドライバを使用。

左右のドライバーによる性能差を無くすため、マッチング済みのドライバーユニットを使用しているので左右の誤差も少ないのでしょう。

THDを記載しているのは自信の表れでしょうか。

付属品は?

・4 m カールコード(3.5 mm ミニジャック)
・1.4 m リモート / マイクロ フォン付ストレートコード(3.5 mm ミニジャック)
・3.5mm→6.3mm変換 アダプター
・キャリングバッグ

変換アダプターはねじ込み式でキャリングバッグは布袋ですね。
私は扱いやすい1.4mコードを使っています。
入力側3.5mmのケーブルなら他のヘッドホン用ケーブルでも使えそうです。

測定データ

http://reference-audio-analyzer.pro/en/report/hp/focal-spirit-pro.php

https://www.innerfidelity.com/images/FocalSpiritProfessional.pdf

周波数特性

周波数特性2

DF補正のみ適用済みのグラフですね。
測定が異なるので厳密に一緒ではありませんが、よく比較してみるとなんとなくわかってくるものがあるかと思います。

位相特性

インピーダンス特性

位相とインピーダンスはほぼ一直線で綺麗ですね。

ヘッドホンをチェック

再生音源については、スタジオで録音した24bit48kのオリジナル音源をメインに使用。

ドラムオンリー音源
ベースオンリー音源
ギターオンリー音源
ピアノオンリー音源
+ライブ用に作ったSE

私的な旬の音楽からは

OLDCODEX
「Growth Arrow」

ChouCho
「Elemental World」

MONDO GROSSO
「偽りのシンパシー ft.アイナ・ジ・エンド(BiSH)」

GANG PARADE
「とろいくらうに食べたい」

上記の音源を使用。

■装着に関して
厚めのフォームタイプのパッド。
ハウジングは小さめで、装着感はとても良い。
ギターやベースを弾きながら頭でノリをとっていてもずれることなく、安定して使えます。

私の耳サイズと個人的な問題(耳にネジ刺してる)ではちょっと窮屈だが900ST程ではない。
側圧が強く、長時間の使用は私にはきつめ。
それは900STでも同様だが、M70xやDT1770PROでは大きめのハウジングなので問題なし。

■遮音性・音漏れ
厚めのフォームタイプのパッドという事もあって遮音性は良好。
とは言ってもカナルタイプの高遮音イヤホン程ではなく、一般的なモニターヘッドホンとしては良いという事。

■ケーブル
なぜかマイクつきのケーブルとDT1770PROでもおなじみだったカールコードが付属。
スタジオでカールコードを使っている人を私は見たことないですが、ヘヴィーデューティーを意識して付属しているのでしょうか。

リスニング用としての評価

新品ではないのでエージングは済んでいるものとして考えます。

聴いてみた第一声はこのヘッドホンいいじゃん。
素直にそう思いました。

何がいいかと言うと全体的に解像度が高く感じられ、歌の帯域のコンプ感やリバーブの消え際とかそういった部分が感じ取りやすいです。

曲の中で最も低いローの部分もチェックしやすいのも良いと感じました(低音量が多いということではない)

つまり低い低音もきちんと再生できているという事です。

普通のリスリング系ヘッドホンと比べるとかなりフラット傾向で、900STやM70xよりやや高域がおとなしめのサウンドですが、そこも含め非常にバランスが良いので三種類の中では最もリスニングにも向いていると思います。

ただモニター系のヘッドホンを普段から愛用していて、特に上2つのヘッドホンの高域に慣れてる方からすると、高域の物足りなさ、違和感を感じる部分があります。

ただこのヘッドホンだと長時間のリスニングでも、音で耳が疲れるというのは少ないです。

左右前後の音場、定位感も良く非常にレベルの高いヘッドホンだと思いました。

◆まとめ◆

個人的には前回のM70xに続き、このヘッドホンもアタリだなと感じられるヘッドホンでした。

私はイヤホン・ヘッドホンのダメ出しが好きな男なので、大抵のものを聴いても何かしらの不満が出てくるのですがこのヘッドホンは非常に少なかったです。

プロが業務用として常備しておくヘッドホンとしてはこのメンテナンス性どうなんだろうと思う事もありますが、個人で所有するモニターヘッドホンとして考えると特に問題はありませんし、音に関してもプロが業務で使うヘッドホンとして考えても素晴らしいものだと思います。

音的にも私の場合はレコーディングでも全然使えますが、どちらかと言えばミックス・マスタリング向きだと思います。

全体をきちんと見通せて、自分から聴きにいってもきちんと聴き取る事が出来るヘッドホンです。

当然リスニング用として考えた場合も、バランスが良く解像度も高いヘッドホンなので、問題なし。

この手のモニターヘッドホンの中では最もリスリングに向いているのではと思いました。

M70xや900STだと聴き疲れする人や、900STのハイをちょっと減らしてローが欲しいという人にも良いでしょう。

やや近い傾向のヘッドホンとしてはオーテクのM50xがあるのですが、M50xはモニターというよりもかなりリスニングに近いタイプで、FOCAL PROよりも低域を強調して中域を削って高域のピークをずらしたようなサウンドです。

それならリスリング系ヘッドホンでいいんじゃないかと思う事もあるので、よりモニターらしいバランスの良い音を聴きたいというのはならこのヘッドホンがとてもオススメです。