■iFi-Audio nano iDSD Black Label ポタアン / B.A.L レビュー

■iFi-Audio nano iDSD Black Label / B.A.L レビュー

購入まで

iFI製品は前から気になっていましたが、nano iDSDを改良したモデルという事で気になって入手してみました。

色々と改良されている点があるのでそこに期待してみました。

同じポタアンのカテゴリーでも幾つもありわかりにくいのですが、製品としては
nano iDSD LE
nano iDSD BL
micro iDSD
micro iDSD BL
Pro iDSD(未発売)
という順にランクが分かれています。

無印との違い

・イヤホンアウトが2つ
・片方はIEM用のiEMatch搭載
・3.5mm4極バランスに対応
・ラインアウトは3.5mm端子
・USB端子はUSB A(メス)
・無印よりも出力アップ
・MQA再生可能

スペック

・入力(背面):USB2.0 Type A “OTG” オス
・出力(背面):3.5mmステレオミニ 固定レベルラインアウト
・デジタルフィルター:2種類
・出力(前面):3.5mmステレオミニ x 2(ダイレクト出力、 iEMatch®搭載出力)
・DAC:Bit-Perfect DSD/DXD変換、デジタルフィルター切り替え可能PCM変換、MQAに対応したBurr Brown DSD, DXD, PCM DAC
・クロック:低ジッタークリスタルクロック
・対応フォーマット: DSD 256/128/64 12.4/11.2/6.2/5.6/3.1/2.8MHz DXD 384/352.8kHz PCM 384/352.8/192/176.4 96/88.2/48/44.1kHz MQA
・PCM:Listen(過渡特性を最適化した最小位相フィルター) Measure(周波数特性を最適化したフィルター)
・DSD:Listen(過渡特性を最適化した広帯域フィルター) Measure(帯域外ノイズを抑制したフィルター)
・DXD:Bit-Perfect変換
・MQA:MQAフィルター

・ヘッドフォンアンプ:デュアルモノ 2x285mW ダイレクトド ライブ、高忠実ノーカップリング回路
・ボリュームコントロール:アナログ 2回路 – 電源スイッチ機 能付きポテンションメーター、トラッキングエラー2dB以下 (40dB-0dB減衰時)
・ヘッドフォン接続:シングルエンドと互換性を持つ3.5mm TRRSバランス
・ダイナミックレンジ(ライン出力):109dB(A)以上
・THD+N(0dBFS ライン出力):0.004%以下
・出力電圧(ダイレクトアウト):3.5V(600Ω負荷時)以上 2.9V(30Ω負荷時)以上 1.7V(15Ω負荷時)以上
・出力電圧(ライン出力):2.15V(±0.05V)
・出力インピーダンス:1Ω以下(ダイレクトアウト) 4Ω以下(iEMatch) 240Ω以下(ライン出力)
・チャンネルセパレーション:99dB(1kHz)以上
・ジッター:計測限界以下
・サイズ:96(奥行き) x 64(幅) x 25.5(高さ) mm
・重量:139g

簡単に言えば入力はUSBのみ
出力はイヤホンアウトが2つとラインアウト1つ

電源に関しては
電源をオフにしたままUSB接続するとUSB供給。
電源を入れてからUSB接続するとバッテリー供給となります。

サウンドについて

FILTERはLISTENとMEASUREMENTSがあり、私はMEASUREMENTSを使用しました。

ギャングエラーはかなり低い音量位置(7-9時)にありますが、すぐなくなります。

全体的にクリアーで解像度が高いと思わせる音でクロストークもなかなか良好で左右の広がりも感じられますが、歪み始める音量が結構早いように思いました。

特定の音量を超えると歪んでくるように感じます。
私の環境では再生側MAXでnanoiDSD12時~です。
そこまで音量をあげない人なら問題ないかもしれませんが、もうちょっとあげて聴きたいなって時は要注意です。

それと、この機種は接続端子で音が異なります。

ダイレクトアウトは最も高出力で繋ぐイヤホンによってはホワイトノイズが目立つ事があります。
JH Audio ROXANNE UNIVERSAL IEMでは結構ホワイトノイズを感じました。

そんな時に真横にあるiEMatch出力に繋ぐと小さい音量で出力されるのでホワイトノイズは感じません。
ですのでこっちの方が能率の高いIEMには向いています。

単品のiEMatchやmicro iDSDに搭載されているものとは違い、段階的な調整が出来ないので、db切り替え不可能のearbuddyに近いのかなと感じます。
そこは上位との差なのでしょう。

傾向としてはどちらも基本的には同じでスッキリした印象を感じましたが、よく聴くとどの帯域もきちんと出ている中で中高域の解像感がよく出ているように感じました。

例えばエレキギターに狙いを定めて聴いているとわかりやすいのですが、ギタリストが手に持っているピックが弦にあたり腕を振り切り六弦から一弦を弾く様子がわかるかのようです。

私は好みなのでこの音は良いと感じますが、好き嫌いもあるサウンドだなと思いました。

総評

この価格でここまでの音が出る時代になったなと感じました。
個人的な印象ではこの価格帯のアンプだと、どこか歪みやすかったりセパレートが悪かったりイヤな癖があったりとしがちなのですが、この機種はそういった面が少なくなかなか良い出来だと思います。

ある程度の音量を超えると歪みやすいという部分では、価格なりでもあるのですが普通のリスニング音量で聴いたり別のアンプを繋ぐ事によってそこは完全に解消されました。
DACとして使用してみたところラインアウトの音もなかなか優秀ですね。

ちなみに旧タイプのnano iDSDではイヤホンアウトよりもラインアウトの方が音がいい!なんて話もありました。

この手のタイプの製品のラインアウトにイヤホンを接続して音が良くなった!と感じる人もいるみたいですが、私の考えとしては基本的には「良く」なる事はないと思います。

一般的なラインアウトは出力インピーダンスが大抵のイヤホンよりも高いからです。

具体的な事はちょっとわかりませんが、この機種だとライン出力は240Ω以下と書いてあるので、それに近いΩのラインアウト出力を備えているものと考えられます。

出力インピーダンスと入力インピーダンスの関係は
入力>出力のロー出しハイ受けが基本です。

インピーダンスマッチングの観点からすれば100Ωのアウトから100Ωのヘッドホンに繋ぐという方が理想ですが、現実的な使い勝手の面もありオーディオ的にはイヤホン・ヘッドホン>アンプにしておけば問題ないという認識が一般的だと思われます。

この機種の場合は、大抵のイヤホン・ヘッドホンよりも高Ωですので音が極端に変化してしまうでしょう。

逆にライン出力の出力インピーダンス以上のイヤホン・ヘッドホンを使用するという事でしたら音質も良い可能性はありますが…

その場合音量がとれるかどうかは能率次第となりますし、音量がとれたとしても、インピーダンス特性に波が大きいマルチBAのイヤホンを、出力インピーダンスが高いラインアウトにを繋いだ場合、その特性に引っ張られる形でサウンドバランスが極端に変化してしまうと考えられます。

ラインアウトではなくラインアウトモードを搭載している機器というのもありますが、その場合は出力インピーダンスはヘッドホンアンプ部と同等で出力電圧を一般的な2Vrms前後に固定するのがラインアウトモードと呼ばれるものです。

この場合だと基本的に同じヘッドホンアンプ部から信号が来ているので、音は変わりません。

AKのKANNのようにライン出力では出力インピーダンスは低めでも回路がアンプ部と分かれているものもあります。

出力インピーダンス的にはイヤホン・ヘッドホンを繋いでも問題はありませんが、出力特性から察するにインピーダンス一直線タイプの物以外だと音の変化が大きかったりする事も考えられるので、低Ωでもきちんと駆動ができるヘッドホンアンプ部の出力に繋ぐ方が総合的には良いのかなと感じます。

それはそれとして私的にはnano iDSD Black Labelは小型で音が良く電池持ちもまあまあ良いので、エントリー向けポタアンとしては申し分ない出来だと思いますが、手をあげて最高のポタアンだ!と言える程ではないと感じました。

この価格ならもうちょっと頑張ってmicro iDSDの中古を買おうとかどうせならmicro iDSD Black labelまで頑張ってみようとかも思ってしまいます。

そこは予算次第でもあるのですが、とにかく一個ポタアンが欲しい、ラインアウトできる機種が欲しい方にはオススメです。