■JH Audio RoxanneII / B.A.L レビュー

JH Audio RoxanneⅡ Universal Fit – THE SIREN SERIES

■購入まで

今更だなと言われそうな気もしますが生産終了となり価格も手頃になってきたので凸しました。

私がポータブルオーディオに目覚めた時には既にLaylaやRoxanneは発売されていてやたら高いモンスターイヤホンがあるんだなと思っていました。

実際にRoxanne1を聴いてみてもやたらローの主張が激しくて全然好きな音じゃなかったのです(ベースダイヤルMAXでした)何度か聴いているうちに良さに気づき、そんな中フルメタルジャケットのRoxanne2が発売されたのを覚えています。

Roxanne1をよりブラッシュアップしたそのサウンドはまさに自分が求めている音でしたがとにかく値段が高い!
発売当初は25万近くしたような気がします。

そこから3DプリントのパフォーマンスシリーズでもRoxanneが登場して価格もダウン。
そして2が生産終了となりJHさんいわく12月にビッグな発表があるぜ!って事で恐らくRoxanne3含む新シリーズが出るのでは?というのが今のタイミングですね。

今だと新品でも12万くらいで中古だと安い時で7万ちょい~8.5万くらいでしょうか。
フルメタル・ジャケットは発売当初からフェイスプレートが剥がれると言われたりもしますが、音に関しては間違いなくトップクラスの音質のイヤホンですから状態の良いものを入手出来てよかったと思います。

■RoxanneIIについて

Roxanne2はAstell&KernとJH Audioのパートナーシップ契約により誕生した新世代の「THE SIREN SERIES」。

JH Audioが特許を取得している独自のミニクワッドドライバー(ドライバー4個)構成「soundrIVeテクノロジー」を採用しています。
RoxanneIIはトリプルクワッドドライバー構成により、片方のハウジングに12個(高域×4、中域×4、低域×4)のドライバーを構成することで、これまでに体感したことの無い広大な周波数範囲を提供します。

高域用ドライバーは、歪を最小限に抑え遮るものなく伸びる高域再生を。
中域用ドライバーは10Hz~5kHzまでは完全なるフラット。
低域用ドライバーは、急峻な減衰特性を有する24dB/octの4次ローパスフィルターにより事実上、歪の無い設計。
スチール製の音導管を採用&Moon Audio社の高品質IEMケーブル(2.5mmバランス、3.5mmアンバランス)が付属しています。

アルミボディ+チタンベゼル+カーボンフェイスプレートを採用。

位相を整えるfreqphaseテクノロジー採用。
低音だけ調整可能なベースダイアルもそのままで調整範囲は、0~ +10dBとなり、低域を一番下げている状態で完全なフラットになる様に設計されています。

遮音性は-26db。

■装着感

外観は初代Roxanneの方が私は好きなのですが私には装着感が合わない部分がありました。
FMJになって装着感もRoxanne1よりもフィットしています。
装着に関しては他のJHのものと同じように耳を引っ張りながら奥まで入れるときちんと固定されるのでオススメです。

■音について

Roxanne2の再生周波数帯域は10Hz-23kHz。
インピーダンス15Ωで能率は119dbと音量は取りやすいイヤホンです。
アーティストがステージで使うイヤーモニターというのはアーティストが装着している小さいワイヤレスの受信機にイヤホンを繋いでそれをモニターするといった仕組みになっているのですが、この受信機…オーディオ的にみると良いアンプが積まれてるとは言えません。

一般的なイヤモニが低インピーダンス、高能率になるのはここに合わせて作られているからです。

つまりスマホでも音量はじゅうぶんにとることが可能です。

ただし音量はとれてもスマホで聴くのとポタアン、DAPで聴くのと据え置きアンプで聴くのでは多少バランスは違って聴こえます。
この辺は駆動できる駆動できない論争に発展しそうなので差し控えておきます。

■音場等

音場に関しては広くもなく狭くもなくです。

音の分離に関してもベースの動きや左右のギターや鍵盤系等聞き取りやすく優秀です。

ただJHのイヤホンはものによってはクロストークではないのですがノイズが気になるものがあります。
これはLAYLAでもありました。

具体的に言えばL側に最大限パンを振ってあるギターのトラックを再生しているとR側からジーというノイズ(反対側の音とは明らかに違うノイズ)が微かに聴こえます。純正ケーブルのアンバランスでもバランス接続でもです。

感度が良い為だと思いますがifi audioのIEMatchを使った場合には綺麗になくなるような気がします。
持っていないので試せませんが、欲しくなりますね。

■サウンドをチェック

再生音源については、自分でスタジオでレコーディング、ミックス、マスタリングした24bit48kHZのオリジナル音源をメインに使用。

ドラムオンリー音源
ベースオンリー音源
ギターオンリー音源
ピアノオンリー音源
オリジナル楽曲音源

私的な旬の音楽からは

ROTTENGRAFFTY
「70cm四方の窓辺」

欅坂46
「エキセントリック」

黒崎真音
「FRIDAY MIDNIGHT PARTY!!」

米津玄師
「打上花火」

ELLEGARDEN
「Salamander」

Fear, and Loathing in Las Vegas
New Sunriseより
「Interlude」

肝心の音に関しては非常に素晴らしく全ての帯域が良く出ているかのようなサウンドバランスで(実際の測定ではそうでもないのですが)歪もとても少なく解像度もかなり良いです。
位相を整えるfreqphaseと4次ローパスフィルターによって各BAの繋がりがきちんと整理されているからと言えるでしょう。

よく言われますがJHは濃厚な音を体現したイヤホンではないでしょうか。

多ドラ=音の繋がりが悪いとか位相がちょっと…と言った話は聞きますがそれはすべての一部のものでの話だと思います。
どこのイヤホンとは言いませんがネットワークが甘く周波数のかぶりを感じる多ドラホンがあるのも事実です。

イヤホンに12BAもいるの?(笑)とかそういった声も耳にしますが、「何の為に」12BAを使っているか?
そこが大事だと私は考えます。

このイヤホンの場合は各帯域に4BAを使っているわけですが、これは1BAだとすぐ歪んでしまうからというのと、再生帯域を伸ばす為に複数のBAを割り当てているからです。
なので多ドラとはいえ実質的にはRoxanneは3BAと同じと言ってもいいかと思います。

クアッドにしたおかげか実際に歪みはかなり少なく音は非常にクリアーです。これが1BAのイヤホンでしたら音量をあげていくとあっという間に飽和して歪んでしまっているでしょう。

とてもクリアーできちんと出ている高域に、艶やかな中域。
低域に関してはベースダイヤル0でもは低音量はちょっと多く感じます。

ベースダイヤル12時までは私の実用範囲だと思いますが、最低位置でもちょっと多いなと思うのでマイナス方向にも使えるといいのになと思いました。

例えばJH用リケーブルで抵抗部分が固定抵抗のものが存在しますが、その抵抗値を変えるだけでベース-1のRoxanneを聴けると思うと相談してオーダーしてみたくなりますね。

現状、私の常用位置はベース0で固定です。

ちなみにJH13V2 PROのベースダイヤル14時やROSIEの14時でロクサーヌのベース0と同等量くらいなのですが、低音の質感は全然違うものです。

最近聴いた中だとLOLAのベース0がロクサーヌのベース0と同等量くらいで質感も近い感じだったのには驚きました。人によってはロクサーヌの音は暑苦しいと感じる人もいるかもしれませんがそういう人にはLOLAの方をオススメしたいですね。
いつかヘッドホン祭りで聴いた時のLOLAよりもとても良い音で欲しくなりました。

■総評として

簡潔に言えば★★★★★の最高のイヤホンです。
今回とにかく褒めちぎっている状態なのであまりあてにはレビューになってしまいましたが、発売から結構時間が経っているにも関わらずこのイヤホンのサウンドは現状のトップクラスだと思います。

ここ最近ではハイエンドのイヤホンもかなり増えたし、ワンランク下の価格帯でも音の良いイヤホンが増え、選択肢も多くなってきましたが、そこと比べても引けをとらないレベルです。

欠点らしい欠点と言えば、音場等の項目で書いたように高感度由来の片ch無音時のはずが(データ自体も無音)聴こえてくるノイズとリケーブルの選択肢が比較的高価であること、ロクサーヌの音しか出ないこと(当たり前なのですが)ではないでしょうか。

これがROSIEとかでしたらベースダイヤルを駆使して幅広く使う事が出来るのですが、Roxanneの場合はベース0でも結構な量があるのであとはそこから増やしていく事しかできない=人によっては使いみちが狭まる事もあるでしょう。

かと言ってロック以外じゃ聴けない…なんて事はありません。ジャズやアコースティック系の音楽を聴いても結構いけます。
初代のRoxanneファンからはこんなのはロクサーヌじゃない!とか言われたりロク2は美音系になってダメだとか言われたりしていますが、非常に素晴らしいイヤホンである事は間違いありません。

パフォーマンスシリーズの新ロクサーヌも傾向としては初代とは違いますしどちらかと言えばRoxanneIIに近いでしょう。
あっちの装着感の方が好きな方がいればそちらもオススメです。

あとは冬に出るのか出ないのかわかりませんが、RoxanneIIIがどんなイヤホンになるのか?それもまた楽しみです。