■Beyerdynamic DT 1770 PRO / B.A.L レビュー

■Beyerdynamic DT 1770 PRO / B.A.L レビュー

購入まで

実は購入自体はかなり前にしてずっと愛用していました。

Beyerdynamicという存在くらいは知っていましたが、深く知りませんでした。
そして高いモニターヘッドホンが登場したかというくらいの認識でしたが、実際に聴いてみて一発でノックアウトされました。

最近モニター系ヘッドホンが増えて記事を書いたりしている中でそういえばまだこいつの記事は書いていなかったなと思い出し評価しなおしついでにレビュー書いてみようと思います。

Beyerdynamicについて

Beyerdynamic自体はドイツで1924年に設立されてヘッドホンやマイクにワイヤレスシステムといったプロオーディオ機器を開発してきた会社です。
評価も高いメーカーなのですが、日本の現場ではあまり見かけないように思います(私の周辺ではというだけかもしれませんが)

今現在、リスニング、モニター、様々なタイプの製品をリリースしていて高Ωで鳴らしにくいが、鳴らせれば素晴らしい音質という評価が多いように見受けられます。

Xelentoやt8ieといったイヤホンも作っているので、まず名前は聴いた事があるという人が多いのではないでしょうか?

スペックは?

・形式⇒ダイナミック、密閉型
・周波数特性⇒5Hz – 40,000Hz
・感度(SPL)⇒102dB (1mW/500Hz)
・最大SPL⇒125dB (200mW/500Hz)
・周辺ノイズ減衰
ベロア⇒約18dBA
合皮⇒約21dBA
・インピーダンス⇒250Ω
・歪率⇒0.05%以下 (1mW/500Hz)
・許容入力⇒200mW
・ヘッドバンド側圧⇒約7.2N
ケーブル長 3m / 片出しストレート
5m/ 片出しコイル
・コネクター⇒3.5mm(1/8″)ステレオミニプラグ
6.3mm(1/4″)ステレオ標準プラグアダプター
・質量⇒388g(ケーブル含まず)

250Ωとかなり鳴らしにくそうなイメージですが、実際にはそこまで音量がとりにくいわけではありません。

スマホはさすがにきつかったですが、ポタアンでも問題は感じませんでした。

付属品は?

・付属品⇒コイルケーブル(5m)、ストレートケーブル(3m)、合皮製交換イヤーパッド(ベロアは本体に装着済み)、キャリングケース

このケースがかなりでかいのですが、今は形が変わって1990PROと同様のものが付いてくるようです。

FOCALにも長いカールコードが付属していましたが、業務でカールコードは使いにくいようにおもいますが急な引っ張りがあった時に「遊び」があることによって断線を防ぐとかそういう意味合いがありそうですね。

通常使用する場合でも3mと長めのケーブルになります。

イヤーパッドの素材を簡単に交換出来るのですが、ベロアと合皮でノイズアイソレーションが異なり音の傾向も少し変化します。
合皮の方が低音を強く感じて、ベロアの方が低音が少なくなります。
この辺は好みで使いわけになります。

測定データ

DT 1770 Pro

周波数特性

csd

サウンドをチェック

再生音源については、スタジオで録音した24bit48kのオリジナル音源をメインに使用。

ドラムオンリー音源
ベースオンリー音源
ギターオンリー音源
ピアノオンリー音源
+ライブ用に作ったSE

私的な旬の音楽からは

OLDCODEX
「Growth Arrow」

ChouCho
「Elemental World」

MONDO GROSSO
「偽りのシンパシー ft.アイナ・ジ・エンド(BiSH)」

GANG PARADE
「とろいくらうに食べたい」

上記の音源を使用。

■装着に関して
大きめのハウジングで耳をカバーし常に安定した装着感です。
ヘッドホン自体の重さはありますが私の場合は長時間使っていても全く苦になりません。

■遮音性・音漏れ
手持ちのモニターヘッドホンでは最も遮音性がよく音漏れもしません。優秀です。

■ケーブル
MINI XLR端子です。
長いですがスタジオによっては刺すところが少し離れていたりする事もあるので、問題はありませんが自宅で使うとかそういう場合だと半分くらいの長さでいいように思いました。

ちなみにバランス接続には対応していません。

1770PROの評価

一言で言えば非常に素晴らしい。
低域・中域・高域のサウンドクオリティが特筆物です。

バランス的にはモニターヘッドホンとしては異例なくらいに低音が出ていますが、テスラテクノロジー搭載の恩恵か歪み感はとても少ないです。

アンプ側をかなりボリュームあげても、アンプが歪まない限りヘッドホンは歪まないような感覚ですね。

サウンドステージはよくあるモニター系ヘッドホンのように耳元に張り付くようなタイプの音場ではありません。
ちょっと間を感じます。
ですが、リスニング系のヘッドホンと比べるとまだ耳に近いと思う人もいるでしょう。

その辺はレコーディングモニターとしてはどちらかと言えば不向きと言えますが、ミックス・マスタリング用モニターとしては個人的に最高峰のヘッドホンだと思います。

実際にヘッドホンだけで制作を完結させる事はまずありませんが、このヘッドホンしかない状況で仕上げろ!と言われたら他のモニター系ヘッドホンよりやりやすいと思います。
リスニング用と考えて聴いた場合、低域の主張もあり他の帯域もきちんと出ていて空間や細かい音も把握しやすいし、長時間聴いていても疲れにくいのでリスニングにも向いています。

イメージ的にはリスニング寄りのバランスなのにきちんとモニターしている音といったところでしょうか?

◆まとめ◆

Beyerdynamicの製品は初めてでしたが、値段なりのクオリティを感じさせる素晴らしいヘッドホンです。

個人的にはこのヘッドホンには2つの顔があるように思います。

それは大きめの音量で聴く時と小さめの音量で聴く時の音のバランスの差からそう感じました。

このヘッドホンをボリューム大きめで聴くと、やはり低域が私にはちょっと強いなと感じます。
でもボリュームを絞った時のバランスは私的にかなり好みです。

もしかしたらですが、このヘッドホンは音量をあまりあげないで使用する方がいいんじゃないか?と思いました。

実際にミックスやマスタリングでヘッドホンを使用する時って必ずしも大きい音量でチェックするわけではないんです。

小さい音量~大きい音量と様々な音量、スピーカーでの聴こえ方とのバランスをとるわけですが、耳を痛めないように小さめの音量で作業するエンジニアも少なくありません。
ですので、このヘッドホンは小さめの音量で聴いた時にモニターとして最も良いサウンドバランスに仕上げているんじゃないかと思ったわけです。

実際にそうかどうかはわかりませんが、私が作業に使う時は小さめの音量で使っています。

逆に小さめの音量で現代的なサウンドをミックス・マスタリングするなら密閉型で他の選択肢はないくらいだと思います。

なんとなく系統的にはPhononのモニターヘッドホンが近いような気もしますが、今までこういうモニター系ヘッドホンはほとんどなかったのではないでしょうか?

リスニング的にもモニター系のヘッドホンでも低域が欲しい、高域はそこまでいらないという人にとても良いと思います。